土地信託について

問 最近、土地信託という言葉をよく耳にしますが、これはどういうことですか。
答 土地活用の一つの方法で、例えば、土地の所有者がその土地を利用してマンション経営をしようとする場合、従来ですと、地主さんが自分で建築資金の借入れや建築工事請負契約の締結、入居者の募集、マンションの保守管理などすべてを行なっていましたが、これらのことをすべて地主さんに代わって信託会社に行なってもらい、地主さんはその収益だけを受け取れば良いという方法です。
問 不動産の所有名義はどうなりますか。
答 信託会社に名義が移ります。しかし、登記原因は売買や贈与ではなく「信託」と明記され、信託契約の内容も登記簿に記載されます。
問 その所有名義は元に戻らないのですか。
答 信託契約に定めた期間が満了したときには戻ってきます。
問 信託期間というのはどれ位ですか。
答 信託契約の内容によって決まるのですが、通常は、建築借入資金の返済が完了する一五年とか二〇年が多いようです。
問 万一、信託期間中に地主側に金策の必要ができた場合、その不動産を処分することはできないのでしょうか。
答 不動産を地主さんが勝手に処分することはできません。しかし、信託契約に基づいて発行される「受益権証書」を売却することができます。
問 土地信託の費用はどれ位ですか。
答 信託契約によって定めることになりますが、通常、建物建築のときに建築費用の三ないし五パーセントを支払い、建物完成以降は賃料収入の一〇パーセント程度と聞いています。
問 地主の受け取る賃料収入は空室の有無にかかわらず一定しているのでしょうか。
答 原則として現実の賃料収入により増減します。ただ、契約の仕方によっては一定にすることができますが、その場合は当然収入は低くなろうかと思います。
問 税金の関係はどうなりますか。
答 地主さんが個人でマンション経営を行う場合とほぼ同一と考えれば良いです。
問 土地信託は何人かの土地を合せて行うことはできないのですか。
答 それも可能です。その場合には、それぞれ持分に応じた「受益権証書」が発行され、収入も持分に応じて配分されることになります。

実印と印鑑証明書

現在の法律では、私.たちが自分の権利を失い、あるいは新たに義務を負うには、原則として本人の意思によらなければならないことになっています。
本人の意思を確認し証明するには文書に本人の印鑑を押してもらうことが簡単で確実な方法です。そして、その印鑑が本人のものであることを公けに証明するものとして実印 (印鑑登録と印鑑証明) の制度があります。
この「実印」の制度があるため、私たちは、登記や登録、公正証書の作成などで、述べるなどの手続が必要でなくなり、単に実印を押した書類に印鑑証明書を添付するだけでよくなります。
悪用され易い「実印」の制度
ところが、実印の制度は便利である反面悪用される危険も持っています。実印と印鑑証明書さえ備わっていれば本人がおこなったものとして扱われますので、本人の知らない間に実印と印鑑証明書が悪用される危険があるのみならず、各種の申請は本人から委任を受けた代理人によって行うこともできますので、実印の押してある白紙の委任状と印鑑証明書さえあれば、これらを手に入れた者は、本人に無断で代理人としてどんなことでもできることになってしまいます。
現に、実印を押した白紙委任状と印鑑証明書を渡してしまったため、勝手に自分の不動産を他人名義に登記されてしまったり知らない間に他人の借金の保証人にさせられたり、あるいは、借りた以上の金額の借金を負わされるなど、さまざまな事件が現実に起っています。
このような場合には、前に述べた法律上のたてまえからすれば、本人の承諾がなく代理人がかってにやったことだから本人は不利益を負わないという理屈になるはずです。ところが実際には訴訟になると、委任状と印鑑証明書が出されている以上、それが本人の意思によらないことを証明するのはきわめて困難なことなのです。
「実印」の悪用を防ぐために
実印が悪用されるのを防ぐためには、
第一に、実印と印鑑登録証の保管を厳重にすること、軽々しく実印や印鑑登録証を他入に預けないこと、
第二に、書類に実印を押すときは、よく内容を確認すること、特に、金額や物件の表示など重要部分は空欄にせず自分で書き込むこと、
第三に、委任状に実印を押す場合には、必ず、委任事項を明記し、白紙委任状は交付しないこと、などが必要です。

弁 済 供 託

一、借地における地代の値上げ、借家における家賃の値上げに伴って、借りている方が、賃料を供託することがありますが今回はそのことを勉強したいと思います。
借地法や借家法では、値上げ請求に対し協議が調わないときは、裁判が確定するまで相当と認むる賃料を支払うを以って足るとあります。
ところが借地人が相当と認めても、地主が受領しなければ供託する外ないわけです。
二、ところで協議が調わないとき、いきなり供託してもよいのでしょうか。原則として弁済の提供といって、実際にお金を持っていって受取を拒否されてからでないと有効な供託とはなりません。
しかし受取らないという通知があった等明らかに受取らないときは、そのまま供託できます。
三、借地人が、固定資産税より安い地代を供託し続けても有効でしょうか。
一五年間低額すぎる地代を供託した結果、契約の解除を有効を認めた判例があります。
供託金額は従前の賃料に若干上乗せしたものが妥当で、長く供託している場合は固定資産税と都市計画税の合計額を下廻らないことが必要です。
四、供託は、東京の場合大手町にある合同庁舎の中の供託所へ行って、手続きをします。
供え付けの供託用紙があり、書き方も見本が壁にはってあります。
よく、お父さんの名前で借地していたが、お父さんが死亡したとき、その後もお父さんの名前で供託する人がいますが、死者の供託というものはありえないので考えものです。
五、それでは、供託したお金は最後にはどうなるのでしょうか。
供託した人は、被供託者が受諾の意思表示をするまでは何時でも取戻せます。
しかしその結果、地代を払わなかったことになります。又、被供託者は、この供託を認めて還付することができます。
よく、還付はしたいが、地代としてではなく損害金として還付したいのだという人がいますが、払渡請求書にそのように書くと還付することができません。
又地代の増額請求をしていて払渡を受ける場合「供託受諾」と書くと不利になる場合は、「供託受諾、但し地代一部弁済受領の留保をする」と書いて後の争の解決に役立てて下さい。