土地税制の改正

平成四年度からの新土地税制は、総体的に資産格差による不公平を是正しようとするものですが、保有課税、譲渡課税、取得課税に区分されます。

一、保有課税(地価税)
土地について、価格が上れば、銀行借入も可能になる等、利用価値よりも資産価値に着目した保有がなされています。
これに対応するには既存の税制では不可能なので保有税が導入されます。
固定資産税は、市町村税なので、全国的調整が不可能だからその引き上げではダメなのだと言われています。
居住用土地で一〇〇〇平方メートル以下、賃貸土地でも一〇〇〇平方メートル以下、一平方メートル当りの相続税評価三万円以下の土地は非課税となっています。
又、基礎控除は、一〇億円 (個人及び中小法人は一五億円) 税率〇・三% (初年度○・二%) 税額は、所得税及び法人税の所得計算上損金に算入されます。

二、譲渡課税
土地譲渡益は、公共的財産を不労にて所得するものだとの発想で引上げられます。
案では、長期譲渡所得税につき、従来四〇〇〇万円以下二〇%、四〇〇〇万円超二五%だったのを一律三〇%にし、住民税については従来四〇〇〇万円以下六%、四〇〇〇万円超部分七・五%だったのを一律九%とすることになります。
又、長短期譲渡所得の区分の特例の適用期限を五年間延期します。
法人の長期譲渡所得については、追加課税一〇%の特例が創設されます。
居住用財産の長期譲渡所得については、従来の三〇〇〇万円の特別控除、その余の四〇〇〇万円から一〇%だったのを、その余の六〇〇〇万円からに引上げられます。

三、取得課税(相続税)
評価割合 (路線価) を引上げ、土地を相続する有利性 (他の財産に比較し) を少くし、一方で課税最低限の引上げ、税率区分の幅の拡大が行われます。
路線価の評価時点を従来の七月一日から一月一日に改め、公示価格の評価時点と一致させ、路線価を公示価格の七〇%目途に引上げます。
一方課税最低限 (現行四〇〇〇万円+八○○万円×法定相続人) を一・五倍ないし二倍にする予定です。
又、生産緑地については、二〇年営農による相続税免除の特例を廃止します。

四、以上、かなり厳しい改正がなされますが、たとえば平成三年中に売買契約書を作成し、代金を四年以降の支払にしても、三年に於ける税率で税金を支払っておく等工夫の余地もあるようです。

暴力団対策法

Q 暴力団対策法 (暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律) が平成三年五月に成立し、平成四年三月一日に施行されるということですが、この法律はなぜ制定されたのですか。

A 最近の暴力団は知能化を一層進めており、「民事」や「権利行使」を口実にして巧みに検挙を免れながら市民や企業から莫大な利益を獲得しております。
そこで、犯罪にならなくても、暴力団がその威力を示して市民や企業に金銭の支払などの要求をするとぎは、警察が要求行為の中止を命じることができるようにすることが望まれておりました。また、暴力団の対立抗争が発生すると、双方が銃器を使用するために、組事務所周辺の住民は言語に絶する恐ろしい思いを余儀なくされます。
警察が、その使用を禁止する命令を出すことができれば、近隣住民にとってこれ以上嬉しいことはありません。また、暴力団を壊滅させるためには、暴力団組員が存在する社会的基盤の解消や脱団組員の保護、更生への援助などを行うことが必要です。そのための組織(暴力追放推進センター)を創設しなければ腰のすわった対応は困難です。
このような多くの要望に応えるためには暴力団対策の「新法」を制定すべきだとして今回の立法に至ったわけです。

Q この法律はすべての暴力団に適用されますか。

A そうではありません。公安委員会が特に指定した暴力団 (指定暴力団) についてだけ適用されます。暴力団の中には、昔気質の「任侠の徒」がいるかもしれませんが、いずれにしても悪性の程度が重い暴力団だけが対象とされます。

Q この法律によって暴力団の規制は充分に行うことができますか。

A 広域指定三団体 (山口組、稲川会、住吉会) に対しては相当のダメージを与えると思います。これらの団体は必ず「指定暴力団」 になりますし、指定暴力団になれば、「代紋」や「組の名称」を示して威力を行使することができなくなり、社会も「指定暴力団」に対しては相当厳しく対応することが予測されるからです。

Q 暴力団対策のキメ手は何でしょうか。

A 暴力団対策には弁護士会も警察も頑張っており、今度は新法も制定されました。
しかし、暴力団被害を根絶させるキメ手は何といっても被害者とされている市民や企業が暴力団に対して毅然とした対応を行い、不必要なカネを絶対に出さないことです。企業の中には暴力団を使うものもありますが、このような企業は反社会的企業としてその姿勢は厳しく糾弾されるべきです。

ゴルフ会員権名義変更

Q 初めてゴルフ会員権を購入し「会員資格保証書」という証券を受け取りました。ゴルフクラブにもいろいろな種類があると聞きましたが、どういうものなのですか。

A 日本の△吾貝制ゴルフ場は、初期には会員が社団法人を作ってゴルフ場を経営するもの(社団法人制)がありました。つぎに会員が株主となる会社を作りその会社がゴルフ場を経営するという形態のもの(株主会員制)が現れ、現在では、ゴルフ場を経営する会社がまずあって、その会社がゴルフ場の経営には直接タッチしない会員を募集するというもの(預託金会員制)がほとんどを占めています。
あなたの場合は、資格保証金(法律的には預託金と言います)を支払うことにより会員資格を取得するもののようですので、預託金会員制だと思います。

Q 私は、この会員権を友人から購入して名義書替を申請したところ、ゴルフ場から名義書替料のほかに名義書替預託金(退会時に返してもらえるとのことです)として三〇〇万円を支払うよう言われましたが、これは支払わなければならないのでしょうか。なお、友人の説明によるとクラブの会則には当初このような制度は規定されていなかったが、コースを改修するに際してゴルフ場経営会社の意向でクラブの会則が改正されて新たに名義書替預託金の制度が設けられたということでした。

A コースやクラブハウスの改修、コースの増設には多額の費用がかかります。その資金を捻出するため多くのゴルフ場では新規会員や平日会員の募集などを行っています。しかし、会員数を増やしたくないと考えるゴルフ場では、既存の会員に預託金の増額支払を求めたり、あるいはあなたの場合のように名義書替の際に新入会員から預託金の支払を求めたりすることがあります。
名義書替預託金については、当初からクラブの会則で定められているか、あるいは会員総会などで大多数の会員によって承認されたというのであれば問題はないのですが、多くの場合、ゴルフ場経営会社の一方的な意向で会則が変更されて名義書替預託金を徴収することが決められるようです。
実際に、この名義書替預託金を徴収することができるか否かについて裁判で争われたことがあり、会社側の一存で決めたから無効だとした裁判例と、新規会員募集により会員数を増やすよりは良いから有効だとした裁判例があります。要するに会社の経営方針の妥当性が有効・無効を決める要素とされているようです。