相談を希望される場合

医療過誤の相談する準備として、①カルテ、②診断書及び医師の説明書、③相談表の3点があげられます。それでは詳しく見ていきましょう。

①カルテ 

多くの相談者が、患者は医師からカルテのコピーを貰えるのだということを知りません。
大病院では請求してから1ヵ月位かかりますが、現在は医師会でもカルテを開示するよう指導しているので、ごく例外的な場合を除きカルテのコピーは貰えます。

どうしてもくれないときは証拠保全といって、裁判官を連れていってカルテの写真を撮ってきます
偽造を防ぐ為にはその方が良いという意見もありますが、偽造の場合、証拠保全の前に既に行っているので任意に貰う場合と結果的にはそれ程差がないと考えます。

②診断書及び医師の説明書

医師の書いた診断書及び事故の説明書は、医師側がその事故をどのように考えているか知るのに役立ちます。

相手に反駁するには、その医師の説明を打ち破る材料が必要だからです。説明書を読むと専門用語で煙にまいたり、詭弁を使っていることがよくあります。従って、これらの文書は、行間まで読み込む必要があります。

③相談表

事故が起った経過を日時を追って、日付順にした表にすると相談時間の短縮に役立ちます。
私が、弁護士になって初めてやった医療過誤事件は、呼んでも医者が何もしてくれなかったという息子さんの書いた詳細なメモが頼りでしたが、裁判所はその書いた内容を信用してくれました。