東京弁護士会あっせん仲裁センター

Q 東京弁護士会にあっせん仲裁センターができたと聞きましたが、どんなところでしょう。
A 東京弁護士会のあっせん仲裁センターは、平成六年七月一五日より発足し、同年一二月末までに二六件の申立がありました。
この制度発足の趣旨は、法律相談をして弁護士を頼んで裁判にする程ではないが解決しなければならない法的トラブルを簡易迅速、低料金で解決しようというところにあります。
Q 手続きはどうすればよいのでしょう。
A まず、弁護士会の法律相談を受けるか、お知合いの弁護士に相談して紹介状を書いて貰うかして、簡単な申立書に申立ての内容を書きます。もちろん代理人がついてもかまいません。
受付には三浦という人がいますので、分らない処があったら聞いてください。申立てがありますと相手方をやさしい文書とパンフレットで呼出し、返事がない場合は電話をします。
そうして期日をベテランの弁護士からなる、あっせん仲裁人と相談して早期に決め、双方の話をじっくり聞きます。
そこで和解ができればそれでよし、できなければ三回目位で仲裁合意書というものに双方に捺印して貰い、あっせん伸裁人が最終判断を下すというもので東京弁護士会の昨年の例では相手方が呼出しに応じる例が八○・八%、二六件のうち仲裁判断による解決一件、和解が一〇件、継続中五件、取下不出頭一〇件で、解決は平均二回で申立より四三日で解決しています。
Q どんな事件があっせん仲裁に向きますか。
A 両当事者の言い分を聞くことによって問題点を把握することができるトラブルで、証人尋問など特別な立証活動をしなければ解決しない医療過誤などは向きません。あっせん仲裁は裁判と異なり非公開で行われますので、家族間の問題、隣近所の問題、会社内の問題、男女間の問題は向いています。
申立ての中にはいわゆる加害者と呼ばれる人が適正な損害額で解決したいと申立てる例が多くあります。
Q 費用はどの位かかりますか。
A 申立てのとき一万円、各期日ごとに各当事者五千円、そして一定の成立手数料から成ります。成立手数料は双方で分担するものですが、その総額が一○○万円までが八%、一〇〇万円から三〇〇万円の部分が五%、三〇〇万円から三〇〇〇万円の部分が三%、三〇〇〇万円から一億円までが一%、一億円を超える部分が○・五%となっております。
 

利    息

一 利息という場合には、約定利息・法定利息・遅延利息があります。
約定利息は法律行為例えば契約などにより発生する利息のことをいい、法定利息とは法律の規定により発生する利息のことをいいます。その額は、いずれも利率によって計算され、約定利息は約定利率により、法定利息は法定利率 (民法では年五分、商法では年六分) によって定められます。
例えば、金銭の貸し借りをした当事者が利息をつけることは定めたが、その利率を定めなかった時はどうなるでしょう。
こういう場合は先程述べた法定利率によることになります。
二 では、当事者間の契約で利息をつける場合に、その利率は無制限に定めてもよいでしょうか。
この場合には利息制限法の定める制限利率を超えることはできません。
その制限利率は次のとおりです。
①元本が一〇万円未満の場合年二割
②元本が一〇万円以上一〇〇万円未満の場合年一割八分
③元本が一〇〇万円以上の場合年一割五分
では、制限利率を超過する利息を支払ってしまった場合にはどうなるでしょう。
この場合、最高裁の判例では、債務者が任意に利息として超過部分を支払った場合でもその超過部分は残存の元本に充当することができ、残存元本を完済してしまった場合には、不当利得として返還できるものとしています。
三 ただ、このような利息制限法の適用にも例外があります。
すなわち、貸金業規制法四三条による場合です。これは、一定の要件のもとに、利息制限法を超える利息の支払いについても有効な支払として認める規定です。
その要件は以下のとおりです。
①貸金業者が業として金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約に基づく支払いであること
②債務者が利息として任意に支払ったこと③契約証書又は譲受証書を交付している場
 合における支払であること
④受取証書を交付した場合におけるその支払であること
など他にも要件はありますが、主な要件は右のようなものです。
ただ、この要件を充足する場合でも、貸金業者は全く無制限に利息を取れるのではなく、出資法による制限があります。貸金業者が金銭の貸し付けを行なう場合には、年四〇・○〇四%(二月二九日を含むときは年四〇・一一三六%)を超える金利を取った場合には刑罰が科せられます。
又、一般人の場合でも年一〇九・五%を超える金利を取ると刑罰が科せられます。
また、貸し付けのとき金利を天引きしたときは、天引き後のものを元本として金利が計算されます。
四 遅延利息は、金銭貸借上の債務不履行による一種の損害金です。
遅延利息についても当事者間で利率を定めるときは利息制限法によるあります(但し約定利息の場合の利率の二倍まで認められています)。
また、貸金業者の場合は先にのべたものと同じく出資法により制限があります。
○注貸金業法は、平成一八年に改正され、
平成二一年からは、利息制限法の利率
を越えて貸せないことになります。

新弁護士会館が完成

一 新しい弁護士会館が平成七年七月霞ヶ関の日比谷公園前に完成します。この建物は、東京にある三つの弁護士会(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)と、日本弁護士連合会が共同で建設したもので、それぞれの会が入居する共同ビルです。そして、この新会館にはこれらの弁護士会のほかに、財団法人法律扶助協会や財団法人日弁連交通事故相談センター等も入居することになっています。
二 この新会館には、法律専門図書館や講堂、法律相談センター、仲裁センター、各種会議室など様々な施設が設けられています。そして、地下鉄丸の内線の霞ヶ関駅と地下通路でつながった会館の地下は法律図書専門の書店や食堂街となっています。この書店や食堂は誰でも自由に利用できます。
三 弁護士会館は、弁護士のための会館ではありますが、単に弁護士が利用するだけでなく、市民の方々にも大いに利用されています。弁護士会館では、弁護士会の団体としての事務や、所属弁護士の資格審査や懲戒、紛議調停などの弁護士資格に関する事務が行われているのに加えて、広く市民の方々を対象にして次のような事業が行われています。
【法律相談】一般の法律相談を行う外、サラ金やクレジット関係、消費者問題、医療問題、少年問題、交通事故等の特別相談も行っています。
【人権救済活動】人権擁護委員会と外国人人権救済センターが設置され、各種の相談に応じ、また、救済の申立を受け付けています。
【民事介入暴力対策】民事介入暴力被害者救済センターを特別に設置してこの問題に取り組んでいます。
【法律扶助事業】法律扶助協会が資力のない人を対象に無料法律相談や各種の援助事業を行っています。
【遺言センター】遺言に関する相談や遺言書の保管業務などを行っています。
【仲裁センター】紛争解決のため仲裁の事業を行っています。
四 私ども弁護士は、事務所における依頼者の方々との法律相談を通して、事案によって前述の弁護士会の各種の事業を利用したり、紹介したりしています。民事介入暴力や特殊な人権侵害事件など、一つの法律事務所では対処できないような事案でも弁護士会が会を挙げて取り組んでくれますし、又、例えば、法律扶助協会は、資力の無い人だけではなく、保証金がなくて仮差押や仮処分ができない人にも援助をしてくれており、私共にとっても頼りがいのあるところです。
新しい会館の完成を機に、私共も事務所と弁護士会とを連携させて、更に一層、法律事務を充実させていくつもりです。